炭酸水の自宅製造は一般的ではなく、
「重曹ってなに?」「クエン酸ってなに?」「化学反応?」「二酸化炭素?」「しょっぱい味の炭酸水?」「圧力?」「???」とお考えの方は、多くいらっしゃると思います。
今回の記事は、これらの疑問を、具体的なイメージを用いて理解するためのものです。(上記のすべてを理解している方は、この記事は退屈かもしれません。この記事は無視してください。)
さあ、入門の方々!一緒にイメージしましょう!大丈夫です。イメージできます!
「重曹って何?」「クエン酸って何?」
「重曹」も「クエン酸」も、食品添加物に使用される白色粉末です。
重曹は水に溶けると弱アルカリ性を示し、苦味を生じます。重曹が用いられる代表的なものは、ベーキングパウダー、膨らし粉です。
重曹(重炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム)、白色粉末 |
クエン酸は水に溶けると弱酸性を示し、レモンのような酸味(酸っぱさ)を生じます。クエン酸が含まれる代表的なものは、果物です。
クエン酸、重層より粒が荒い |
両者とも、工業用、食品用、医療用の商品が存在しますが、炭酸水製造には食品グレードをお使いください。
重曹は複数の名称がある。クエン酸は2種類の製品がある。「迷うべからず」。
重曹は、「重炭酸ナトリウム」「炭酸水素ナトリウム」とも呼ばれています。重曹、重炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムは「すべて同じもの」を指します。名前のみが異なるのです。購入時は迷わないようにお願いします。一方、クエン酸は、「クエン酸(無水)」「クエン酸(結晶)」があります。両者は異なります。無水は名前のごとく「水が無」で、完全なサラサラ乾燥状態です。無水のほうが扱いやすいので、商品購入の際は、可能ならば、「クエン酸(無水)」を選んでください。
大内容量の商品は「割安・得」!小容量のものは「割高・損」!
重曹とクエン酸は、ドラッグストアもしくはネットショップで手に入れることができます。また、これらは商品の内容量に反比例して、単価が下がるようです。
(amazon.co.jpの商品の価格を参照すると。。。)
重曹
300gの商品は、260円 (0.86円/g) 。
1kgの商品は、420円 (0.42円/g) 。
5kgの商品は、1200円 (0.24円/g) 。
25kgの商品は、3200円 (0.12円/g) 。
クエン酸
300gの商品は、 350円(1.16円/g)。
1kgの商品は、630円(0.63円/g)。
5kgの商品、 2,100円(0.42円/g)。
25kgの商品は、8,000円(0.32円/g)。
<追記>
キリツボ販売の重曹1kgは1gあたり0.18円、クエン酸1kgは0.42円です。
「化学反応?」「二酸化炭素?」「しょっぱい味の炭酸水?」
炭酸水ファンの間では、水の中に重層とクエン酸をいれて、二酸化炭素の生じる化学反応を起こし、「炭酸水を得る方法」が知られています。しかしながら同時に、この炭酸水は、「しょっぱい!苦い!まずい!」という評価も知られています。以下↓じっくり見ていきましょう。
クエン酸と重曹のみを混ぜても、化学反応は起こらない。しかし、水を追加すると…
さて、ここで、実験します。重曹、クエン酸、乾いたグラスを用意します。グラスに、クエン酸と重曹を、適当な量を投入します。
スプーンで混ぜます。反応はありません。
しかし、水を適当な量、追加すると。。。。
シュワシュワっという発泡音とともに、泡が噴き出します。
炭酸水の出来上がりです。
味わってみましょう。
美味しいですか?
「この味が好みだ」と、言うの方は、炭酸メーカーは不要かもしれません。
「内圧?」とは
この炭酸水は、まだ捨てないでください。コップの口に手のひらで完全にふさぎ、コップの内部と外部を遮断してください。
手のひらを押す力を感じますね?これは、「内圧」です。
発泡が続く場合、内圧はどんどん上がり、内圧が手を押しのけるため、最終的にコップを完全にふさぐことができなくなります。
1気圧、1MPaとは具体的にどれぐらい強さなのか?
圧力とは、1cm2あたりに1kg重が働くときの表現ことです。(もう少し細かく言いますと、面1cm2に対して垂直方向の力1kg重)。つまり1圧力 = 1kg重/cm2。また、気圧とは大気の圧力をいいます。私たちのいる地表は1圧力(1cm2あたり1kg重がかかっています)。つまり、1気圧=1kg重/cm2。
以下、例題を出します、一緒にイメージしましょう。
Q1. 上記のコップに手のひらを当てたときの話になりますが、問題を出します。
コップ飲み口の半径が3cm(面積は約27cm2)、コップを塞ぐためにに加えていた手の力が27kg重だったときに、発泡による内圧上昇によって手が押しのけられました。発泡によって内圧はいくら上がりましたか?
A1. 1気圧です。
(重量を面積で割ると、27kg重/27cm2なので、1kg/cm2より1気圧)
注意していただきたいのは、内圧上昇が1気圧であって、内圧は2気圧であることです。コップ内部はもともと1気圧あり、内圧上昇によって1気圧加えられたからです。(地上には常に約1気圧の圧力が加わっています。)
Q2. Q1において、コップを使わず、代わりにペットボトルを用います(ペットボトルは、飲み口の面積がコップよりも小さい)。飲み口の半径が1cm(面積は約3cm2)、塞ぐ力が27kg重だったとき、内圧の上昇はいくらでしょうか?
A2. 9気圧です。
(重量を面積で割ると、27kg重/3cm2なので、9kg/cm2より9気圧)
1気圧は、0.098MPa(メガパスカル)と言うこともできます。おおざっぱにいうと、1気圧=約0.1MPaです。炭酸製造に用いられる圧力計には「MPa」がよくでてきますので、覚えましょう。例えば、0.5MPaの内圧というと、器具内部の壁に1cm2あたり5kg重が加わっていることになります。
数字の話は、少し難しいところなのですが、内圧がどういったものなのかイメージしていただければ、炭酸製造の理解が容易になるでしょう。
(*記載情報に間違いがある場合は、コメントを下さい。)
以下のリンクも見てください。よろしくお願いします。
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技術編(キリツボの構成部品、炭酸作成手順の詳細)
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